心に寄り添うことで見えた
本当の気持ち。
エピソード
3
![シャンデリアの画像](https://www.shoubikai.or.jp/wp-content/themes/shoubikai/assets/img/episode/episode-3-01.jpg)
家族の絆が
起こした奇跡
施設に入所して10年になるKさんが
99歳の誕生日を迎える直前、
娘様から話を頂きました。
Kさんの白寿のお祝いを、
ホテルで結婚式のような会場を貸し切り
親族揃って盛大にお祝いしたいというもの。
ですがKさんは最近認知症も進行してきて
娘さんのお顔も分からなかったり、
歩行もままならず移動は車いす、
食事を食べることでさえも
職員のお手伝いがいる状態でした。
![ホテルのお料理の画像](https://www.shoubikai.or.jp/wp-content/themes/shoubikai/assets/img/episode/episode-3-02.jpg)
「長い時間の外出にご本人様の体力が耐えられるか」
「どうにかご家族の想いを実現したい」
「ご本人様の喜ぶ姿が見たい」
職員はその一心で、
実現に向けカンファレンスを実施。
会場までの移動手段、式の段取りの確認、
そこで提供される食事の形態、
トイレの場所や設備、付き添う職員、
当日までの健康管理、
その他不測の事態に対する対処方法の確認など。
入念に準備を行い、
当日会場に到着すると入り口には
40名を超える親族のお出迎えがありました。
Kさんのお席は、
会場の前方の一段高いステージ上。
立ち上がることさえ少し難しいKさんを
職員2名で両脇から介助しながら
ようやく着席したその時です。
![杖の画像](https://www.shoubikai.or.jp/wp-content/themes/shoubikai/assets/img/episode/episode-3-03.jpg)
![福祉車両の画像](https://www.shoubikai.or.jp/wp-content/themes/shoubikai/assets/img/episode/episode-3-04.jpg)
シーンと静まり返った会場で
Kさんが一言。
「今日はお集まりいただきありがとうございます。」
認知症が進行し、
ここが何処なのかさえも
おそらく分かっていないと思っていた一同は
「わー」と歓声をあげました。
式が終わりKさんを中心に
親族全員で記念撮影をしましたが、
なんとKさんの横には恐れ多くも
私たち職員が案内されました。
「長年、母のお世話をして頂いている職員さんは、
親族同様もう家族ですよ」
お手伝いのつもりで同席した私たちにも
席やお食事を準備していただき、
家族の一員として迎えてくださった
娘様の心遣いに涙が出ました。
![マイクの画像](https://www.shoubikai.or.jp/wp-content/themes/shoubikai/assets/img/episode/episode-3-05.jpg)
認知症が進行し
娘様のお顔さえ分からず
会話も難しくなってきたKさんが、
懐かしい顔を前に立派にご挨拶された姿、
それを温かく受入れ、
白寿を盛大に盛り上げる
素敵なご家族に感動し、
私たちもしあわせな時間を
過ごすことが出来ました。
![カメラの画像](https://www.shoubikai.or.jp/wp-content/themes/shoubikai/assets/img/episode/episode-3-06.jpg)
![桜の花の画像](https://www.shoubikai.or.jp/wp-content/themes/shoubikai/assets/img/episode/episode-3-07.jpg)
エピソードスタッフ
T.K.(生活相談員 / 特別養護老人ホーム)
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